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# さよなら閣下、さよならシベ超
「水野晴郎死んだ!」とマリリンから携帯にメールを受け取った時、ああ、とうとうこの日が来てしまったなあと思った。会社に戻って、水野晴郎の公式サイトをガン見し、いろんなことを思い出していた。wikipediaでシベリア超特急の復習をした。あたしに用事がある人がデスクに来たが、画面にデカデカ映る水野晴郎の写真やシベ超の文字を見ても、ノーリアクションだった。閣下を敬愛する相方のぼんちゃんは気丈に振る舞っているのだろうかと気になる。

シベ超とマリリンとあたしの思い出話はこちらで読んでいただくとして、ほんとうにシベ超イベントほど気持ちよく失笑できるイベントはなかった。愛に満ち溢れた失笑のるつぼで、マリリンとあたしはいつも笑い泣きした気がする。マリリンも書いているけど、時折共通の友人がイベントに参加したりもしたのだが、いつだってあたしたちの思いは伝わらなかった……。

7月8日、ロフトプラスワンで水野晴郎のバースデーイベントが開かれる予定だった。当初は予定に入れてなかったのだが(あたしに至ってはマリリンに聞くまで知らなかった)、この訃報を耳にし、急遽予定を変えて出席することにした。同日にチケットをとっていた立川談志一門会はキャンセルする旨、マリリンにメールを出したところ「談志が死んだらどうするの?」と返事がきた。さて、どうしよう。

当日はしっかりシベ超フィナーレを飾りたい……と書きながら、脂の乗った大女優になってシベ超からオファーがくる妄想を抱いていたことを思い出した。シベ超なき今、あたしが女優デビューする必要もなくなってしまったのは無念といえば無念で、日本映画界はとてつもなく巨大な宝(あたしね)を見ることなく失うことになったわけだ。クラシックな衣裳とメイクでドスの効いた汚れた演技ができるのは、あたしか寺島しのぶくらいだというのに。しくしく。

という自分の話はおいといて、水野晴郎さんのご冥福をお祈り申し上げます。あなたが身をもって示されていて大きな愛を忘れません、ありがとう。合掌。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:32 | category: 映画 |
# 「選挙」@イメージフォーラム
さて、日曜。イメージフォーラムで「選挙」を見て来た。この映画、川崎市議補欠選挙に出た素人政治家の選挙運動を追ったドキュメンタリーである。予告篇を見ながら「なんで映画の予告篇って『これは、○○○○○な○○○の物語である。』っていう渋い声のナレーションが入るんだろうか。紋切り型だなあ」とか思っていたのであるが、これが一番ストレートで簡単で分かりやすくてそれっぽいのだな。ということで、川崎市議補欠選挙に出た素人政治家の選挙運動を追ったドキュメンタリーである。

主人公であり立候補者である山内和彦氏は、政治にはズブの素人であり、選挙区である川崎市宮前区とは縁も所縁もない落下傘候補。おまけに前職(当時の現職?)は切手コイン商という異色の経歴の持ち主。もっと言えば気象大学校中退、信州大学中退、東京大学卒業して切手コイン商という変わり種。この彼が小泉純一郎の構造改革にアツく思い入れてしまったため、公募で自民党の公認候補となった。初めての選挙運動はわからないことづくし。しかし、自民としては彼が落ちれば市議会の過半数を割るので気合いは入りまくり。小泉や石原長男、地元議員などまでが狩り出されての必死の選挙戦である。みんな必死で山内氏も必死ではあるのだが、地元の自民党関係者に怒られてばっかりなのだ。

音楽もナレーションもなく淡々と、選挙の舞台裏、候補者のまわりが映される。これは大成功だった。選挙周辺にいる人々やナンセンスな事柄が面白いからだ。どっぷり浸かっている人には正論であり筋が通った事柄が、浸かってない人から見ると滑稽すぎる。そして主人公の山内氏の天然の呑気さもすごい。これは山内氏じゃなかったら、ここまでコメディになってないだろう。あと気に入ったのは、監督のスタンス。これを見て「だから自民党はクズだ!」とアツくなる人もいるかもしれないけど、自民だけの話ではない。まあ、自民的な体質ではあるかもしれないけど、自民批判の意図はないだろうし、その選挙のあり方を批判したり嘲笑するわけでもない。ただ単に撮っている感じが実にいい。

この日は上映以後、想田監督と田原総一朗のトークショーがあったのだが、想田監督は一見爽やかな、いや爽やかなのかもしれないけど、頭の良さそうな青年だった。2人のトークショーはなかなか面白そうだなと思った矢先、お忍びで来ていた山内氏が前に呼ばれ、その生天然っぷりに一気にトークショーは笑いの方面へ。この日の山さんこと山内氏のブログはコチラ

いやいや、具体的にいろいろ書きたいんだけども、これから見る人もいるかもしれないので止めておく。しかし、たいへん面白い映画だった。想田監督はこれを「観察映画第一弾」としているのだが、意味やメッセージをもたせず淡々と観察するスタンスがいいねえ。観察ということで、見る側の興味も感想もあっちゃこっちゃへいくわけだけど、それで見終わって「ああ楽しかった」と言えること。この幸せ。この娯楽。いいねえ。
| comments(5) | trackbacks(0) | 08:32 | category: 映画 |
# あたし達のリトル・ミス・サンシャイン
2006年は素晴らしい人たちとの出会いもあり、楽しい思い出もいっぱいあった。でも、一方で、ここ33年で最も辛い1年でもあった。変な例えだけど、野生動物がいきなり動物園に連れて来られてしまったような、初めて文明に触れた野生児のような、そんな生きづらさを感じた。今まで好き放題やってきた浅い人間に、これは致命傷のように辛かった。

だいたい疲れると海の中の深くて暗い方へひたすら潜っていく風景を夢見るのだが、昨年ばかりはチョモランマの頂上で、酸欠を経て気絶するまで野太い声で叫ぶことを夢見た。

ってな時に「リトル・ミス・サンシャイン」を見たんだよなあ。最愛のオカマ友・マリリンのブログを読んで、そのことを思い出した。この映画の感想、ブログに書きたかったんけど、未だ書いていない。でも、マリリンがあたしの言いたいことを全て書いてくれているようないないような。

最近、頼りにしている仕事関係の姉さんに「私達はマイノリティなんだからさー(以下略)」「私達は脳に傷がある人間だからさー(以下略)」と言われているのだが、マイノリティでも脳に傷があっても「これがあたしだ!ありゃ、よっしゃ!」と踊りたくなる映画です。むしろ、そんな人にこそ見て欲しい映画かな。

「少しは大人になれ、社会人になれ」と自分に言い聞かし、そのたびに「大人って何さ?社会人って何さ?」という内なる声と闘い、ニート、負け組、ワーキングプアという社会のレッテルをチラチラ横目で見ながら、勝手に横で押しつぶされそうになったり。

しかし、2007年はもう闘わん。やめた。
| comments(8) | trackbacks(0) | 23:00 | category: 映画 |
# 2007年はポジデブ・ブームの頂点か!?
昨日、仕事の資料と一緒にライターさんからクリスマスカードとチョコが送られてきた。仕事の資料は映画「ヘアスプレー」のDVD。「ピンク・フラミンゴ」のジョン・ウォーターズ監督作品で、主人公のお母さん役をやっているのは、これまた「ピンク・フラミンゴ」のディヴァイン(写真右)。来年公開のリメイク版映画「ヘアスプレー」ではジョン・トラボルタがデブ女装でこの役を演じるというから、これまた過剰感に期待したいところ。


一緒に送ってきてくれたマデレーンのチョコ(右)がこれまたカワイイ。キャーキャーいいながら、Xmasカードを開くと「ディヴァイン、この映画の翌年に『自分の体重により圧死』って…。私も気をつけようと思いつつチョコをかじる年の暮れ(涙)」のメッセージ…。
このライターさん、森公美子っぽいのだ。つまり、明るくてかわいい顔立ちなのだが、とっても太っている。激笑してしまった。……って、あんまり人のこと言えないけどー。


来年は「ヘアスプレー」のミュージカルもやってくる。「ピンク・フラミンゴ」を期待しちゃうと物足りないかもしれないが、2007年がポジデブ時代のピークとなるのか!?

<おまけ>
マデレーンのチョコもちょいとブキミなカワイさがあるよね。左はソニプラのサイトで売っていたもの。3段重ねの箱の中にはボール型のチョコがたっぷり入っている。人の心の軸をほんの少しブレさせるようなデザインだ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:49 | category: 映画 |
# 12月の「ラブ・アクチュアリー」
会社の子に「ラブ・アクチュアリー」のDVDを借りていたことを思い出し、今夜見た。
あたしの中では“デート映画”の位置づけなのだが、きっとデートでも見ないかもしれない映画だ。現に今まで見てなかったわけだし…。きっかけは映画ライターの人にクリスマスにピッタリの映画を尋ねたら、この映画が挙がり「僕は試写室で泣きましたよー」と言ったことにある。席の近い男子にこの話をしたところ「僕も試写室でボロボロ泣いちゃいました」という。このことをまた違う同僚(女性)に言うと「ああ、男の人の方が泣けるかもね」と結構そっけない。

男子が泣き、女子が泣かない恋愛映画。ライトなコメディっぽさもあるオムニバスものと言えば、女性好みのはずのようだが…。
そして、この男子に借りてから1か月半。存在を急に思い出してDVDを見たら、なんで今になって見ちゃったんだ?と思うくらい。クリスマス前というこの瞬間がベストタイミンじゃないの。

ウィットに富んだ会話やストーリー展開、そこに風刺も小気味よく交えて、テンポ良く話は進む。そしてオムニバスだったものが徐々に繋がり、大団円のラスト。ものすごく演劇っぽさ(って何だかつっこまないでね、いい言葉が思いつかないの)っぽさがあるのも、いいねえ。あとは世の中いろんな愛に溢れているのね。それがロマンチックなばかりでなく、どこにもありそうで妙にリアルなところもよく、どの恋にも感情移入し全て応援したくなる温かさと真剣さがある。人を好きになるって素敵なことだなあ。

クリスマス1か月前くらいから始まるこのストーリー。今年もあと少しだけど頑張るわよー、と思いました。さて、クリスマスイブまで、あと17日くらい。クリスマスには本当の気持ちを言っていい日らしいので、あたしも言っちゃおうかなー。とかドキドキしてみたくなる映画でした。
| comments(6) | trackbacks(3) | 02:09 | category: 映画 |
# ソクーロフ「エルミタージュ幻想」
近所にできた小さな映画上映スペースでの第1回作品はソクーロフ「エルミタージュ幻想」。招待券をいただいたので見に行った。正直、初回がソクーロフでは、地域の人々に招待券を配ったところで敷居が高いのではないか?これは場としてのブランディングみたいなもんなんだろうか?そんなリサーチも兼ねて行く。今回、ロシア旅行をとりやめた代わりに来たという地元の知り合い夫婦、うちから徒歩5分以内にいる従兄弟2人、さらに近所の商店のおじさんなどに会う。

「エルミタージュ幻想」は2002年のカンヌでのコンペティション出品作品。サンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館を1日借り切って、映画史上初の90分ワンカットで撮られた作品だ。カメラの視点で移動していく主人公の声は、ソクーロフ作品でもおなじみのソクーロフ自身の声。さらに案内人としてフランス人外交官(実在のキュスティーヌ伯爵という設定)が加わる。この2人(画面に出て来るのはフランス人外交官の方のみだが)が会話しながら、豪華絢爛なエルミタージュ美術館内を巡るのだが、こうして歩き廻るエルミタージュ美術館はかつて歴代皇帝の宮殿だった場所でもある。時空を超えて美術館を廻る2人は、エカテリーナやピョートル大帝、ニコライ一世、ニコライ二世、そして現代など、様々な時代を目にすることになる。

フランス人外交官はヨーロッパ人かつカトリック信者の視点から美術品を批評し、非常に気ままに時空を行き来する。なるほど、ヨーロッパ人から見たエルミタージュはこう見えるのね、ロシアはアジアなのね、などと思いながら見る。残念ながらロシア史には全く疎いので、知っていたら面白く見えたところも見えてないと思うし、美術に関しても同様。それでも、そんな知識がなくてもユラユラと時空を超えたエルミタージュ探検は楽しい。90分という短時間のはずが、300年の歴史をワンカットで旅することで、時間の感覚が失われた。終わった瞬間、あたしの隣で母と母の友人は「ようやく終わってよかった」「無料でよかった」という感心を漏らしていたのだが。その感想を聞き、やっぱり初回に「エルミタージュ幻想」は町場向けではないと確信した。ちなみに次回は黒澤明の「影武者」。こちらも3時間の長丁場で敷居が高いのではなかろうか。

ラストの舞踏会のシーンもまた長く、乙女なあたしは優雅なダンスにすっかり心奪われ、パートナーもいないのに独りでマズルカを踊ってみたり、とても上機嫌。昨日のピナ・バウシュのダンスも混ぜたりしながら、今日は非常に上機嫌で踊っていた。非常によい週末だった。

| comments(2) | trackbacks(0) | 01:10 | category: 映画 |
# 悲惨と哀しみ、滑稽と呪詛とトグロ感
交通博物館見学が終わったのが16時過ぎ。お、こりゃアテネフランセの映画に間に合うんでないか?と思い、アテネフランセへ行く友人(というか…)に連絡をとり、万世橋のたもとから、坂をのぼり坂をのぼり坂をのぼり、神田駿河台のてっぺんへ。

今日見るものはアレクセイ・ゲルマン監督の「フルスタリョフ、車を!」。ロシア映画ってだけで気分は上がる。しかもアテネ・フランセ。ビルの前のベンチでサンドイッチを文字通り頬張りながら臨戦体勢のあたし。「…でさ、クリティシズムについてさ…」という、周囲にいたオトコの子2人の会話にボルテージが上がる。日常で使ってみたい外来語である。でも、あたしが口にした途端、「クリティシズム」がなぜか下ネタワードと誤解されそうな気もするのだが。

チラシによると「フルスタリョフ、車を!」というタイトルは、スターリンの臨終の言葉。「秘密警察が暗躍しッ粛清の嵐が吹き荒れるスターリン時代の混沌としたロシア社会に呪詛の限りを叩きつける。生に対する異様な肯定性が漲るポリフォニックな傑作」と。始まる前にはよくわからなかったこの紹介文、見終わったあとには本当にその通りだとわかる。

この映画のわからなさは、自分が歴史背景を知らないから、という次元の問題ではない。
目まぐるしく変わる場面、個性の強い様々な登場人物、説明のない展開のスピードとテンションの異常に高い演技に笑っていると話がぐんぐん終わりに向かっていってしまった。
苛立つ人々、苦しむ人々すらも滑稽だ。大病院の院長であり脳外科医であり赤軍の将軍である主人公は、病院でも家庭でもどこにいてもハイテンションでエネルギッシュで、大柄でスキンヘッドで特異な容貌もそのカリスマ性を増している。非常に魅力的(映画の中のあの女でなくても、種馬的理由でこの将軍に迫りたくなるに違いない)。なんだかわけのわからないままにいろんな展開が起こって、この主人公は驚くべき強運さと強靱さをもって人生を転換していく。前半の訳のわからなさに比べて後半はスピード落とし目で物語がわかってくるような気がするのだが、やっぱりそこには厚い空気と闇がぎっちり詰まっているから、やはりスイスイは見れるもんじゃない。非常によく笑った142分。こういう映画は好みだ。また見たい。もうダメだ。説明しようとすると感覚的になりそうなので。書けないなあ。

興味ある人はコチラの公式サイトをどうぞ!
「フルスタリョフ、車を!」
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:22 | category: 映画 |
# 愛のステッキ音楽と盲目映画
裏道を歩いていたら、10mほど前方に、盲目の夫婦が歩いていた。男性のすぐ後ろを女性が歩く。2人ともステッキを持ち、カチカチカチ、カチカチカチンとそれぞれ道を叩いている。自分の歩く道は自分で決めている。輪唱のように微妙にズレた2つのカチカチカチン。2本のステッキの奏でる音が、なんだか不思議に心地よかった。相手のカチカチカチンに何かを感じることもあるのかもしれないなあ。好きな人の“カチカチカチン”で「あー今日は機嫌悪そうだ」とか「なんかいいことあったのかな?」とか考えるのは楽しそうだ。いや、苦労の方が多いのはわかってるけども。不謹慎ですね。

印象的だった盲目の人は「ツィゴイネルワイゼン」の旅芸人3人かな。あれはたまらんです。違う意味で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も捨て難いけれど、盲目的には「ツィゴイネルワイゼン」に軍配をあげたい。

| comments(3) | trackbacks(1) | 12:21 | category: 映画 |
# 「天空の草原のナンサ」を思い出して就寝。
あー。またも湯舟で寝てしまった。これから仕事なのに、風呂上がり、間違えて想像上の動物の絵柄が付いた缶を開けてしまった。こういう時は寝るに限る。だが、このまま寝ても、こびりついたストレスは取れない。寝る前に、遠い遠い地球のどこかにある場所のことを考えてみようと思う。たとえばモンゴルのこととか。近い?

昨年クリスマスに銀座のシャンテ・シネにモンゴル映画を見に行った。「天空の草原のナンサ」という映画。監督は34才のモンゴル出身の女性監督。「らくだの涙」の監督だ。「らくだの涙」は見ていないのだが、一時期デスクトップにこの映画のらくだの写真を敷き、仕事中にほげーっと眺めていたことがある。見なきゃ。忘れてた。

映画の舞台はモンゴルの草原。6歳になるナンサちゃんを軸にして、その若い遊牧民の一家の暮らしを描いている。ナンサちゃんはある日、お手伝いで山に出かけた時、洞窟で一匹のかわいい犬を見つけて帰ってくる。お父さんは「オオカミの仲間かもしれないからダメだ」と、飼うことを許さない。でも、お父さんは羊を売りに町へ出たのをいいことに、ナンサちゃんはこっそり飼い続ける。そして、ある日、放牧の最中に犬とはぐれてしまう。馬に乗り、一生懸命に犬を探すナンサちゃん。ようやく見つけた時にはあたりが暗くなり、雨が降り出した。心細くなったナンサちゃん。しかし、遠くからモンゴルの歌声が聴こえてくる。歌声の聴こえる方に進むとゲルがあり、年老いたおばあさんが家の中へ迎えてくれた。濡れた体や衣服を乾かし、雨の止むのを待っている間に、おばあさんは「黄色い犬にならなくてよかったね」と、モンゴルに伝わる黄色い犬の伝説を話し聞かせてくれるのだ。

やがて季節が変わり始め、遊牧民のナンサちゃん一家にとっては次の場所へ移動する時期が来た。ゲルが畳まれ、家財一式がコンパクトにまとめられる。ナンサちゃん一家のゲルが立っていた場所には何もなくなり、ただ杭にあの犬が結わえ付けられているだけだ。置き去りにされる犬を想うナンサちゃん。小さな弟の面倒を見るように言われていたはずなのに、犬に気持ちがいっていて、出発してから弟がいないことにお母さんが気付いた。慌てて馬を走らせ、来た道を戻るお父さん。その頃、小さな弟はヨチヨチ歩きでケラケラと笑いながら、羊の死骸に群がるハゲタカに近寄っていっていたのだ。…どこまで書いていいんだ?…どうなる?小さな弟!

さて、麒麟も尽きた。

このようにストーリーはいたってシンプル。しかし、モンゴルの遊牧民の普通の暮らしが描かれているのが魅力的だ。チーズが作られる様子。遊牧の風景。牛糞で肉をいぶすお母さんの横で、牛糞で遊ぶ子供たち。お父さん、お母さん、ナンサちゃん、妹、弟はいつも民族衣裳を着ている。カラフルで素朴な家具。長女のナンサちゃんは一人前に馬に乗り、遊牧のお手伝いをする。お母さんの料理のお手伝いもするし、弟や妹の面倒もよくみる。その一方で町で買ってきたどぎつい色のプラスチック製品もちらほら見られ、野生のオオカミに悩む遊牧民の会話も聞ける。ほとんど誰もいないような草原の中を、スピーカーで選挙を知らせる中国政府の広報カーが走る。ナンサのお父さんは政治に無関心だ。

映画の中の一家は実在の遊牧民の一家で、おそらく平均的な遊牧民の若いファミリーなのではないかと思う。このナンサちゃん、妹、弟という3人の子供たちの邪気のない笑顔と子供らしい振る舞い、一挙手一投足がまた愛らしい。そして、ナンサちゃんのお姉さんぶりが、お姉さんだった自分を思い出して懐かしい気分になるのだ。とってもしっかりしてるのに、犬を飼いたいと思ったらその信念を曲げない様子、犬を追い掛けてそれ以外のことは頭からスコンと抜けてしまう様子、なんだか自分を見ているようだ…。

見た後に友人と「よかったねー」と言い合いながら外に出たのだが、こうやって書くとよかった要素が多過ぎて、何を書いてるのかわからなくなってきた。こりゃ見るのが一番だ。モンゴルに興味のある人なら、楽しめる映画です。ホントはおばあさんの話してくれる黄色い犬の話も物語の重要なポイントなんだけど、もう眠いので寝ちゃう!明日の晩に紹介する。あ、仕事しなきゃ。いいや、それも明日。おやすみなさいー。なんだか、いい夢見れそうだ。

★お知らせ★
同じ頃に「天空の草原のナンサ」のことを書いていた赤枕十庵さんのブログ。赤いほっぺのナンサちゃんのイラストがかわいい〜。赤枕さんのイラストのタッチがナンサちゃんにすごくあってる!
| comments(8) | trackbacks(1) | 02:52 | category: 映画 |
# なぜかオールウェイズ。
今朝、父が「俺さ、なんとかウェイズってヤツ、見てぇんだよなあ」と言ってきた。「何それ?オールウェイズのこと?」と聞きながら、父までも韓流かよ?しかもイ・ビョンホンかよ?と思ったけど、よく考えたらあれは「オールイン」だった。「懐かしい風景が出て来るんだよなあ」というので、やっと「ALWAYS三丁目の夕日」ってヤツだとわかった。

その後、ちょっとやる気を出して「誰でもできる個人事業の経理」みたいな本を読み始めたら、意味がわからず全く進まなくない。それでも頑張った。でも飽きた。夕方頃、またプラプラ部屋を出たら、また父がいる。「あとちょっと仕事してALWAYS行こうかと思ってるんだよ。上野で18:35が最終みたいだから。でも、明日も充実した1日だからやめようかなあ。やめとくかな」。小さな気遣いの人=あたしが「何時に出るの?一緒に行く?」と聞くのと同時に母は「1人で行けば?あたしは行かないわよ!」とか言ってるし。父は「いや、やっぱり行かないでいいかな」と弱気になる。そんなぐちゃぐちゃした会話が10分ほど続き、あたしと父が行くことを決定。母に伝えるとあっさり「じゃあ、あたしも行こうかしら」となり、出かけることになる。

上野の映画館の客層は、20代のカップルから60代・70代まで幅広い年齢層。入りはあまりよくなかったが、その分ぐでんとした体勢でリラックスして見ることができた。おまけにどうも、うちの家族は面白い場面に笑いながら、そのセリフを復唱するクセがあるのだが、有楽町だと気になるそんなことも上野なら許される気がする。

映画はベタなのではとの予想通りベタではあったが、ほのぼのと心温まる映画だった。東京タワー建設間近の昭和30年代の設定で、町の人々の荒っぽくも温かなやりとり、愛情溢れる家族、テレビや冷蔵庫の出現と変わって行く暮らし、戦争をへて一生懸命に強く生きる人々の姿が丁寧に描かれていた。なんといっても俳優陣がうまい。短気で強引な町の自動車修理工場の鈴木モーター社長(堤真一)、駄菓子屋を営み子供向けの小説を書きながら文学を志し続ける茶川竜之介(吉岡秀隆)、踊り子を辞めて呑み屋を始めたママ(小雪)、鈴木モーターのよくできた奥さん(薬師丸ひろ子)…あと子役の2人は本当に上手だった。堀北真希ちゃんもかわいいし、もたいまさこ、三浦友和、ちょい役の小日向文世、ピエール瀧、松尾貴史、木村祐一、温水洋一などまでいい味を出している。ほんとはちょっとした小さな場面がおかしかったりするのだが、説明するのもどうかと思うので割愛。今やすっかり変わったあの辺りの風景や六本木ヒルズなどの妙に強力な磁場を思うと、心が痛む。

これを家族と見るってどうよ?と見ながら思ったりもしたのだが、いい時間を過ごせたなあと思う。だいたい父がいなければ「ALWAYS三丁目の夕日」を見に行くなんてありえなかったが、父も母も「堤と吉岡はうまかった!子役もうまかった!ほのぼのしててよかった!」と喜んでいたし、よかったよかった。父は薬師丸ひろ子のことを、最後のクレジットが出るまで南野陽子だと思っていたらしいが。

さて、これからまた魔の経理タイムに戻ります。
| comments(14) | trackbacks(13) | 23:09 | category: 映画 |
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