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# ピナ・バウシュさん死去
ショックです。本当に。
ご冥福を心よりお祈りします。

今週は楽しいことがてんこもり過ぎるくらいで、
明日から日曜まで大祭りフィーバーのはずだった。
でも、祭りと引き換えに失うものがあるはずだ。
と、今知る。

あたしの祭りとピナは、どう考えても繋がってはいない。
世界はいつだってあたしを中心に回り、
陰陽のバランスをとっているわけはない。

でも、このふたつの目でピナを何度か見られた。
凛とした美しい姿勢で、静謐な佇まいで、
見るだけで心を掴まれたあの空気を
あたしはきっと忘れないだろうと思う。

もっと書くことがあるだろうけれど、
今日はここまでだ。
今までありがとう、ピナ。

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# 白馬の新婦
ジンガロに行く。VIP席のような席だった。お馬さんがすごい。人間もすごい。ジプシー好きにはたまらない世界観で、以前DVDで見たジンガロとは違う、ハイテンションなハッピーさを抱えて帰ってきた。以前から「結婚式にはルーマニアからジプシー楽団を呼ぶ!」と決めているのだが、本日新たな目標ができた。あたしが純白のウエディングドレスに身を包んで、白馬に乗って登場するのである。白い長いベールには風船をつけて、空中にふわふわさせるのだ。依然、ジプシー系を見たときにしか結婚願望が起きないのは問題があるのだが、あたしのは“結婚願望”というより“結婚式願望”。人前に出るのが大嫌いなので、このくらいアホにしないと結婚式なんて恥ずかしくてできない。これに賛同してくれるような相手を探すのは大変だ。この際、相手が不在でもいいのではないかという気もする。会費制にして、食べ放題&飲み放題でひとり8000円。知人も不知人もウェルカムで、採算合うだろうか。でも、やっぱり相手がいないと気の毒過ぎて誰も来てくれないかもなあ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:55 | category: 歌舞伎/ダンス |
# セカンドチャボロ。拡散愛。
今日職場でやったこと。
・水曜に有給休暇をとると宣言
・新しい名刺の発注
・業務外の誌面の校正
(親子丼を食べる)
・水曜の有給休暇の待ち合わせ時間と場所を決める
・アポ1つ入れる
・不調のMacを診断
・会社の接待呑み会のためのスケジュール調整
・別メンツの接待呑み会のための店候補を出す

キビキビ動いたのは最後の2つだけ。そこで慌てて渋谷へ向かった。傘なんて差してられるか!と道玄坂を競歩のような早さで登り切る。ひじょうに暑い……。

今日はチャボロ・シュミット@duo music exchange。ここは整理番号が早ければいい席がとれるので、張り切っていったのだ。で、よく見える席を死守すれば、あとはゆっくりビールを呑むだけである。日曜の公演はヒデさんとクーシュカ(なんて名前でふたりを呼ぶことはほとんどないが、これから呼んでみようと思う)。今回はmorioさん。morioさんはチャボロの可愛さがわからないと言っていた。おじいさんでしょって言うのだ。あたしの本当のお父さんはチャボロだと思っているので、お父さんはおじいちゃんなのか…と落ち込む。今、チャボロのプロフィールを見たら、本当に戸籍上のパパとチャボロは同い年だった。ここはワンドリンク制だったので、ツードリンク飲んで開演を待った。

杉並の時は会場の真ん中くらいの席だったが、今回はしっかり指の動きが見えた。すごいぞと思ってはいたが、近くで見ると本当にすごい。あまりに速い動きに、血圧が高くなって倒れないか不安になる。今晩、指の動きは叩き込んできたが、何十年一生懸命ギターの練習をしてもムリだ。前回の杉並のホール仕様とは違い、今回はライブハウス。全体の構成も違うし聴こえ方も違う。親密度も違う。アンコールではチャボロが歌ったのだが、歌う前にマイクスタンドを自分のところにもってこようとして壊していた……。もう一挙一動が愛らしいのだ。そんな無邪気なパパを盛り立てるメンツもキュートだ。目配せしてはクスクス笑い合ったり、大仰な仕草でおどけてみたり。そういえばチャボロの笑いが止まらなくなっちゃったシーンもあったっけ。今回も幸福感いっぱいになった。今回はこれで終わりなのがさみしいけど、また次回の来日までがんばろう。

昨年秋にギターをちゃんと習いに行こうと思って体験レッスンを受けた。クラシックギターだ。レッスン後に先生と話していて「ジャンゴ・ラインハルトとかチャボロ・シュミットが好き」と言ったら、先生は驚いた顔をして「いい趣味ですねえ」と唸っていた。その後、仕事が忙しくなり、通う自信がなく止めてしまったが、今年こそはちゃんと通って、タココ・ラインハルトになれるようにしようと思う。

帰りはかむくらでラーメンを食べた。ラーメンを食べながらmorioさんがピンポイントであたしが隠してはないけど特に話してもない秘密にズバズバ触れる。なので、ちょっと遠い目になった。なんていい加減なヤツなのだろうかと自らを反省しつつ帰ったものの、お父さんがチャボロなので仕方ない。

で、今日はお兄さん呑みが違うお兄さんを呼び、違うお兄さんを呼び、また違うお兄さんを呼んだ。職場の呑み相手のオールスターキャスト。独身はひとりだけだけど、それは置いておいて、とくにひとりのお兄さんは信頼しきってている。……と、落としどころがわからなくなったのだが、愛おしいという感情はチャボロだけでなく、いろんな方面にある。で、愛おしい感情を表現しようと思うと、グ!と胸が詰まってしまう。愛されたいとか寝たいとか結婚したいとかすべてを超えている愛情をいろいろもてるあたしは幸せなのかそうでないのか。きっと人から見ると幸せじゃないんだろうなあ。
| comments(3) | trackbacks(0) | 03:15 | category: 歌舞伎/ダンス |
# ピナ・バウシュ公演2008
週末、父親と会ったときに“悩みが多く気分がすぐれないのよー”とこぼしつつも、来週、友人Kの弟君と、仕事で彼らの実家近くに行くのだという話をした。そして、Kの弟君に「実家に寄って『娘さんをください』と言ってくれ」といわれたことを話した。あの姉をもらってくれるのはあたししかいないとも。そりゃそうだ。あくまでも冗談として父親に話したつもりだったのに、「おまえはKさんと仲がいいんだな」というので「そうかもしれない」と答えると、父はいつになく思案顔で黙った。そして、「おまえはそのことで悩んでいるのか……」と呟いた。思考回路がよくわからないので、“そのこと”というのが何を想像しているのかわからない。考えられるのは2つ。1つは「向こうのご両親に『娘さんをください』というから緊張している」。もう1つは「愛する人が同性だから、この恋路をどうしていいかわからず悩んでいる」。答えはどちらでもないよ、父。

さて、先週と今週でピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団の公演に行った。先週は「パレルモ、パレルモ」、今週は「フルムーン」。「パレルモ、パレルモ」は冒頭で高さ5m幅14mの巨大な壁が一気に崩れるところから始まる。今まで日本国内でこれができる劇場がなかったのだが、昭和音大のテアトロ・ジーリオ・ショウワのオープンで見られるようになった。際立っていたのはmorioさんがいうように、人間という生き物がもつ残酷なまでの滑稽さ。そして反復の多さだった。表現者としてのピナ・バウシュは、とても誠実な作り手だと思う。とても繊細なのだけれど、とても強く、熱く、冷静だ。とても鈍感で弱い人間であるあたしは、ピナたちが作品に至るまでのディスカッションで出てきたこと、伝えたいことのほんの少しでもわかるような気がしないのだが、そこには確実に見る前と違う刺激がある。それがどういう刺激でどういう変化を自分にもたらしているのはわからない。もっとも効能がはっきりするような短絡的な話でもないのだ。何かが響く。それが何かはわからないのだが、ズボッと体に入る。それで十分いいと思う。

「パレルモ、パレルモ」がかなり演劇的要素が強かったのに比べ、今週見た「フルムーン」の方はダンス的。こういう言い方は語弊があるが、「パレルモ、パレルモ」よりわかりやすかったのではないだろうか。人間の持つ弱さ、妥協、ディスコミュニケーション、絶望的な状況の中で生きる悲哀、不条理ともいえる断絶……とまあ、いろんな文字を書いてみたが、同じような言葉を書いているような気がしないでもないが、水を使った演出はたいへん素晴らしかった。見ている途中から妙に涙が止まらなくなってしまい、あたしはもっと生きたいなと思った。別に“死にたかったのにもう少し生きようと思った”という意味ではない。いい加減なことや中途半端なこと、妥協、嘘、汚い感情、弱い感情が山積みで毎日を過ごしていることに自己嫌悪を抱いて、それでも目先の楽しいことにうつつを抜かしていきていることに、また自己嫌悪を抱く毎日で、さらにそれでも楽しけりゃいいやなんていう言い訳をしながら生きる……ということの繰り返しの日々。そこから抜け出したいのだが、抜け出すには自分が一歩進むしかなく、話は冒頭に戻るのだが、その一歩は、決して同性同士の結婚ということではないのは明白。

★このせいで、あたしは感想を書けなくなったのだ!morioさんの「パレルモ、パレルモ」日記。
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# Kカンパニー「くるみ割り人形」
コンテンポラリーダンスに1万円払えても、バレエに1万円はムリなあたくし。以前、上司と「熊川哲也のKカンパニー行かない?」「いいですけどー」「1万5000円」「行きたくない!」。そんな会話を交わしたクセに。別の人に「タコちゃん、コレ好きそうだから行く?」と聞かれ、ダーター枠をいただき行ってきた。日曜夜。大宮くんだりまで独りで。今回の演目は「くるみ割り人形」。小学生の頃に見たことあるような、ないような。おもちゃの国vsネズミ。正直言うと、「くるみ割り人形」の筋さえ覚えていなかったので、クマテツの演出の凝り加減はわからなかったのだが、ちょっとダークでよかった。そしてバレエに慣れてないので、オーケストラが入っているだけで感動したりしてみた。よい。やはり良かった。

ダンス見たさでいったのに、バレエというのは演劇調なところがあるんだね。オペラは好きだ。コンテンポラリーダンスで台詞があっても気にならない。しかし、バレエってのは演劇チックな動きをするのに台詞がない。前半はそれが気になって気になって、なんでしゃべる真似してるのに音声がないんだろうと思うと、呼吸困難に陥りそうだった。しかし、後半。各国人形とヒーローとヒロイン他のダンスバトル。これは大変好みにあっていた。ファンタジー最高!!!!と童心に戻って、楽しく独りで帰って参った。で、帰宅したらしたで、中国人形踊り、アラビアン踊り、王子様踊りをいろいろやってご満悦でありました。体が人一倍柔らかいのに、まったく活かせてないと思う。ホントはトルコ料理屋で調子に乗ってベリーダンスを踊ったところ、たいへん褒められた輝かしい経歴があるのである。年末なので自慢したいのである。いつものことであるが。
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# キャッツの一匹になってきた
劇団四季の「キャッツ」を見に行った。仕事でどうしても見ないといけなくて。今日はホントは時間のある日で、行きたかったイタリア料理店に気合い入れて予約したのにーー!なぜにミュージカル?なぜに仕事と関係してるのに自腹?なぜに1万越え?
四季好きの人に「今晩、キャッツ行くんですよ」と話すと「タコさんも、キャッツの一匹になって楽しんできてくださいね」と真顔で言われてしまい、さらに萎える。

五反田駅を降りた途端にキャッツづくしだ。ようやく着いたキャッツシアター。チケット売り場の姉さんは愛想がいい。もぎりの兄さんもハンサムだ。スタッフの制服はなんだかTDLのよう。と思いつつ、劇場内に一歩入ったら、まさにTDLのアトラクションのような空間デザイン。残念ながら「TDLみたい」→「ひゃほー!」という嗜好および思考回路はないが、非常に興味深い演出であるなあと思った。その後、猫の姿がちらほら現れる。最初のうちは歌の詩が頭に入って来ない。眠くなる。だからミュージカルは体質的にダメなんだよー、言ったじゃん。と心で独り会話。

しかし、見終わった時は、すごーーく満足感に包まれていた。笑って泣いて、とにかく純粋に楽しかった。なんだか手拍子も取っちゃったりして。いい詩だったし。たぶんハタからプロファイリングすると「もう20年くらいに渡り100回以上キャッツを見ている三十路独身女。既にキャッツに誘える友人もいなくなり(全員誘ってしまった)、最近では仕事帰りに疲れると1人でここに寄ってしまう。家に帰ってから猫5匹を侍らせて四季のファンサイトを更新するのが楽しみ。この帰り道にはコンビニで、店内最高級のキャットフードを買ってしまうだろう」的なあたし。
| comments(7) | trackbacks(0) | 02:14 | category: 歌舞伎/ダンス |
# 人間が人形を演じるということ
水曜の夜、また東劇に「シネマ歌舞伎」を見に行ってきた。「鷺娘」の素晴らしさと美しさはもう見てもらうしかないんだけど、今回は『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』の話を書きたい。「鷺娘」は実際に歌舞伎で何度か見ているが、この演目は今回のシネマ歌舞伎で初めて見た。人形浄瑠璃を歌舞伎舞踊化した作品で、人形のように舞う様子が個人的には興味をひかれる作品だった。

あらすじを簡単に説明すると、恋する安珍を追って日高側の渡し場にたどりつく清姫だが、安珍から「清姫を渡すな」と言われている船頭は、かたくなに拒否し、川を渡してくれない。清姫は、安珍への嫉妬と恨みの激情を燃やし、ついには自力で川を渡る決意をする。嫉妬に狂い、大蛇へと化身した清姫は、川を渡り切るのだった。…と、怖い話?今回はここまでの話。ここから清姫は安珍のいる道成寺へ向かい、よく知られた道成寺の場面へとつながり、清姫から逃れようとした安珍は鐘の中に隠れるのだが、蛇に化身した清姫は、鐘に巻き付き、安珍を焼き殺してしまうのだった。…怖い。道成寺に残る安珍清姫伝説と、歌舞伎などでの話は少々異なっているので、そのあたりはこちらをご覧ください。

という話を書きたかったのではなく、もともと人形浄瑠璃で人形が演じていたものを、生身の人間が人形振りでやる様子が面白いなあ、と。文楽などは見たことがないのでわからないのだが、人形劇などを見た感じでは、人形の動きは生身の人間とは全く異なる動作、異なる文法(?)からなり、生身の人間らしい細やかな感情を表現していく。それを再び人間に置き換えた時、人形独自の動きがさらに前面に出て、表現の特徴が明らかになる。ほかにバレエでも歌舞伎でも、人形振りの演目は結構あるんだけれども、なんだかいろいろ考えたくなるテーマだ。

『日高川入相花王』では人形を演じる清姫と船頭の後ろには人形遣い役がつく。清姫の後ろには人形遣い役の菊之助が付くが、船頭役には黒子が2人。どうして清姫だけに人形遣いの役を演じる役者が付くんだろうと思ったのだが、これは清姫が大蛇に身を変え、川を渡り初めて以降、人形遣いが出て来なくなることで納得がいく。おそらくは、化身するほどに安珍に嫉妬し恨む清姫が常軌を逸脱する様子をダイナミックに演出しているのだろう。川を泳ぎ川面から姿を現す清姫は、取り憑かれた化け物の顔と人間の女性の顔を交互に見せる。このあたりの演出もよくできているよなあ。そして川を渡り切った清姫の後ろにはもはや人形遣いもおらず、この世のものではない強い思いだけを支えに立っている。あの姿の凄みといったらない。「うっ…」としか言えない…。

なんだか色々考えていたら、人間の身替わりとしての人形を考え始めてしまい、まとまりそうにないので止めておくが、結構(個人的には)興味深いかも。とにかく非常によく練られた作品だと思う。文楽や能でも見てみたいし、川本喜八郎氏の人形劇もあるようなので、ぜひ見てみたいと思う。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:51 | category: 歌舞伎/ダンス |
# シネマ歌舞伎『鷺娘』『日高川入相花王』
午後から東銀座の東劇へ「シネマ歌舞伎」を見に行く。シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するというもの。第1弾に野田秀樹・作・演出の新作歌舞伎『野田版 鼠小僧』、第2弾に『野田版 研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)』が上映され、今回が第3弾となるそうである。思いっきり見逃していた。ちなみに今回は坂東玉三郎の『鷺娘(さぎむすめ)』、坂東玉三郎&尾上菊之助の『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』の二本立て。

NHK教育テレビの歌舞伎放送の豪華版くらいに思っていたのだが、いやいや、本当にすごかった。始まった瞬間「三味線の音、やっぱり生音と違うなあ…」と不安になったのだが、臨場感と迫力のある映像に釘付け。もちろん何といっても坂東玉三郎の頭のてっぺんから爪先の先の先まで手抜きのない完璧な舞踊と完璧な美しさに圧倒される。隣のおばさまも前のめりで見ていたが、幻想的な美しさにボーッとしてしまった。まさに心を奪われ放心状態。東銀座の駅に着いた時にオバサマ2人組が「玉サマが…」と話しているのを耳にし「玉サマだと?」と思ったけれど“玉サマ”と呼びたくなる気持ち、わかるわ。もともと大好きな役者だけど。

歌舞伎はいつも一等席で見るのだが、生には生の良さがあり、それとは別にシネマ歌舞伎ならではの良さがあった。一緒に行った母が「もう1回見る?」と聞いてきたが、1日で2回も見ては勿体無いので断った。今週金曜までやっているそうなので、必ずまた見に行ってしまうに違いない。
| comments(5) | trackbacks(0) | 23:43 | category: 歌舞伎/ダンス |
# 六世中村歌右衛門五年祭・四月大歌舞伎
恒例の歌舞伎座昼の部。今日は余裕があったので、三越に寄って美濃吉のお弁当を買ってから行く。

《本日の演目》
■「狐と笛吹き」
亡くなった最愛の妻の生き写しを見つけ、亡き妻の面影として家に仕えさせた春方。しかし、その女性は次第に春方を愛し、亡き妻の面影としてでなく、自分自身として愛して欲しいと願うようになる。春方も自分の気持ちに気づき、夫婦になろうと言うと、実は自分は昔自分が助けた狐の子供なのだという。でも、それでもいい!と思う春方だが、狐の方は、一度でも契りを交わせば自分は死んでしまう掟だと言うのだった。ある夜、ついに掟を破ったら、やっぱり死骸は狐の姿。それでも、その狐を抱いて、狐の故郷に一緒に死にに行くというストーリー(かなり乱暴に省略してます)。狐が化けた女を演じる福助のちょっと子供っぽい甘えた感じが不気味に可愛い。軽やかな足取りも狐っぽかったなあ。狐を娶る男・春方に梅玉。梅玉はこういう堅い人の役が多いのだが、声も聴きやすいし結構好き。しかし話のストーリー自体には共感を憶えず「春方のバカ!亡き妻の面影として一生生きられるか!」「春方、ダメ!死んじゃうんだから我慢しろ〜!」と思う。でも、我慢して一生暮らしたらお話にならないから仕方ない。いったいどの時点で死んじゃうのか、どの時点から狐になっちゃうのかと、少々下世話な妄想が頭をよぎってしまった…ダメだね。

■「高尾」
高尾といえば、吉原・三浦屋お抱えのトップ傾城。その名跡は三浦屋のトップ傾城に代々受け継がれ、6代とも11代とも言われているそうな。余談だが、かつて吉原が何をするところかわからなかった子供の頃、あたしの夢は花魁になることだったので、高尾は憧れだった。この萩江社中による高尾は舞踊で、もっとも名高い2代目の高尾の死後の話。吉原の廓勤めの辛さや四季の廓の華やかな情景、間夫を待つ切なさ、地獄の責めの苦しみを訴えるのだった。今回、これを踊るのは雀右衛門、今年86才。本公演でこれを踊るのは初めてだという。すごいなあ。足元に危なっかしさがあるが、死後の高尾なのでいい。それでも美しく品格があって釘付けだった。ちなみに萩江は長唄から派生した音曲で、長唄よりも繊細な節回しを用いるのが特徴らしい。雀右衛門をまた見られたことがうれしい。

■「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」
あらすじを書く意欲が消えた。合戦シーンで勇ましい裸武者を演じたのは中村国生。中村橋之助の長男だ。随分、プクプクして元気のいい子供だなあと思ったのだが、もう10才なんだ。複数の敵を相手に孤軍奮闘、最後は鉄砲で打たれて階段をゴロンゴロンと落ちて来る。いいねえ、役者根性がある子供だ。第ニ場では勘太郎の秀頼もいいけど、ちょっと頭のおかしくなった淀の方を演じる芝かんがとてもいい。迫力はさすがだ。あの風貌だし。お昼ご飯の後だったから、ちょっとウトウトしちゃった。

■「関八州繋馬」
歌舞伎はかなりの数を見てるけど、いつまで経っても詳しくならないし、見方も通にはならない。あたしはわかりやすい荒事が好き。スーパースターもの、人でないものが出て来るもの、花魁ものが好き。この「関八州繋馬」は、日本国を魔界に変えようという大望を抱いた土蜘蛛の精が出て来て、そういう意味では好みの演目。たまらん。手からシュッシュッと蜘蛛の糸を出すたびに、心が弾む〜。悪いヤツらvs正義の味方で闘うんだけど、闘ってる最中に、至る所に構図の美しいキメの場面があって、それもたまらない。土蜘蛛の精に魁春。メイクもメタルっぽく、舌を出して挑発する姿がカッコイイ!おまけに土蜘蛛の精と手を組んで天下転覆をもくろむ平将門の息子・良門に仁左衛門。2人とも本気で悪そうで妖しくてカッコイイ!悪者ガンバレ!と胸を弾ませる。でも、菊五郎たちの正義の味方にやられちゃった…。

以上。先月、感想文書くの忘れたー。
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# ピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」「春の祭典」
久々の文化的活動。国立劇場にピナ・バウシュの公演を見に行く。今回の演目は「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」の2つ。毎回(といっても今回で4回目)、ほぼ1人で行っていたピナの公演だが、今回は以前ピナに行ったことのある5人で行った(1人は仕事で来れなくて本当に残念!)。

「カフェ・ミュラー」はピナ自身が演じる数少ない演目のひとつ。ピナ・バウシュ、今年で66才。内容は難しい。どういう意味だろう?と考え始めたが、まったくわからないので放棄して、そのまんま楽しむことにする。プログラムによれば、ピナの子供の頃の経験をベースにした自伝的要素の高い作品で、ピナ自身が演じたのは少女だということだ。

休憩が入り「春の祭典」。ストラヴィンスキーの曲を使ったダンス。舞台に湿った土を敷き、男女に分かれて迫力のあるダンスを魅せる。男性に抑圧される女性、犠牲となる女性。女性作家による美術作品の主要テーマでもあるが、攻撃的で批判的というよりは、生命礼讃といった印象を受けた。どうなんだろうか。土の上を跳び、転がり、走るたくさんのダンサー達。とにかく生命力と躍動感に溢れるダンスに圧倒される。

そして、カーテンコールでのピナの佇まい。ここは毎回、鳥肌が立つシーン。静謐でストイックでいながら、深い慈愛を感じる。どうやって生きればあの佇まいを獲得できるんだろうと、いつも思う。静謐さもストイックさもない自分だけど、とても憧れてしまう。

今回も楠田絵里子さんは非常に目立っていた。毎回、目立つ格好で目立つ場所におり、スタンディング・オベーションでは真っ先に立つ楠田女史だが、彼女の書いた「ピナ・バウシュ中毒」という本は、好きで好きでたまらないというストレートで強い愛情に溢れていておすすめです。
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